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37話

徐世昌は話を聞いて、心が大きく跳ねた。これは決して小さな問題ではない。

この若様たちがどれほど不良であろうと、ただ礼儀作法に拘らないだけで、それぞれが家の名誉を背負っており、先祖代々の基業を台無しにするようなことは決してしないはずだ。

辛妙如と裴元茂が密かに交際していることは、尚書府と正則侯府に関わる問題だ。今や太師府までもが絡んでいる。これが大ごとになったら、どれほどの醜聞になることか。

徐世昌は慌てて尋ねた。「他に見た者はいるのか?」

その下男は首を振って答えた。「二人は人目を避けていました。もし今日、若様のご命令で密かに跡をつけていなければ、この一件を発見することもなかったでしょう」

徐...