私は風雪に乗る

27話

裴長淮は素早く趙昀の手を振り払い、一歩後ろに下がった。

彼の顔は制御できないほど熱くなり、趙昀に触れられただけで耳まで血が滴るほど赤く燃えていた。

趙昀は彼が洪水や猛獣から逃げるかのように自分を避けるのを見て、尋ねた。「どうしたんだ？」

「本侯にはまだ用事がある。北営の公務については改めて話そう」彼は慌てて言うと、趙昀を通り過ぎて立ち去ろうとした。

二歩も歩かないうちに、裴長淮は引き戻された。趙昀は顔を下げて彼の顔色が紅潮し、目の輝きがいつもの澄んだものではないのを見て、何か異常があると察した。

先ほど趙昀は西苑で礼部侍郎と雑談していた際、侍郎が蘭滄苑で粛王世子に偶然出会ったことを話していた。...