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26話

澜沧苑は遊興の地であり、当然ながら床笫の間の助興となる品々が揃っていた。勉子鈴や角先生、銀托子などの外用の淫具から、斗春や銜香、粉黛油といった内服の媚薬まで、さらには東苑には芳室と呼ばれる空間が設けられ、専ら歓楽を求める場として使われていた。

中には鞭打ちを好む客もおり、その悲鳴を聞くことや、白玉のような肌が蹂躙される様を見ることに快感を覚える者もいた。このような苦痛に耐えられる妓女や男娼は少なく、そこで「忘生散」という薬が開発された。

香料に少量混ぜて吸い込むだけで、どんな痛みも微かな快感へと変わるという代物だった。

裴長淮は風月の道にはあまり執着がなかったが、徐世昌のような放蕩息子た...