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25話

裴長淮は身を翻すと、彼を強く押しのけた。謝知鈞が衣服を半ば乱し、墨色の単衣を開けたまま、にやにやと自分を見つめているのが目に入った。

彼は謝知鈞に触れられた胸元に手を当て、残る冷たさに吐き気を覚えた。

「出ていけ」

裴長淮にはこの男に対して何も言いたいことはなかった。

罵られても、謝知鈞は怒る様子もなく、笑いながら傍らの竹の寝椅子に腰を下ろし、顔を上げて彼を見つめた。

「罵ってくれていいよ。私と口を利かないよりはましだから」

裴長淮は言った。「何しに来た?」

「礼部の左侍郎に会ったんだ。正則侯も蘭滄苑にいると聞いたから、様子を見に来た。怪我は良くなったかと聞きたくてね」彼は裴長淮を上か...