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21話

京城で謝従隽のことを探るのは、衛風臨が想像していたほど難しくなかった。むしろ驚くほど容易だった。

京城には情報を売買する無頼漢がたくさんいて、衛風臨が市井を一回り歩いただけで、少しばかりの銀子を使っただけで、謝従隽の身の上について詳しく聞き出すことができた。

謝従隽、表字は敏郎。

謝従隽は元々謝姓ではなく、王族の出身でもなかった。彼の先祖は宋姓だった。

彼の父親は宋観潮という名で、先代の皇帝がまだ皇太子だった頃から、宋観潮は先皇に重んじられる重臣であり、裴承景と並んで、一文一武、先皇の左右の腕として仕えていた。

宋観潮は文人の出身で、生涯最大の志は先皇を名君として支えることだった。そ...