私は風雪に乗る

17話

裴長淮は自分の心の内を見透かされたことに気づき、さらに午時にこの男に一腹の火を撩られたことを思い出し、より一層憤懣を覚えた。

父と兄が亡くなって以来、侯府には未亡人と孤児たちが残され、広大な家業を内も外も裴長淮一人で支えなければならなかった。幾多の責任が肩にのしかかり、彼は一瞬たりとも気を抜くことができなかった。そのため、裴長淮はかねてより身を慎み、欲を制して生きてきた。これまでの年月、一歩の過ちも犯さず、一度の狂気の沙汰も行わずにきた。

それなのに、あの日の一時の迷いで、まさか趙昀というこのような厄介な閻魔を引き寄せてしまうとは。簡単には処理できそうにない。

「ほら見ろ、まるで俺を殺そ...