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111話

彼の体にはまだ新しい傷があり、今回の北羌への旅で受けたものだ。痂が落ちたばかりだった。

裴長淮がそっとその傷に触れると、趙昀は彼の指先が傷跡の上をなぞる感覚を味わった。少し痒く、心まで焼けるような痒さだった。

間もなく、裴長淮は首を垂れて彼の肩に唇を落とした。趙昀は背筋を少し伸ばしたが、裴長淮は止めなかった。細かく浅く、彼の肩甲骨、背骨、そしてそこにある醜い傷跡に口づけていった。一つ一つが慎重で、ある種の哀れみと痛ましさを帯びていた。

裴長淮は後ろから趙昀を抱きしめた。彼は酔いでぼんやりとし、顔を趙昀の首筋に埋めた。二人の肌が触れ合い、互いに炎のように熱かった。

裴長淮は低い声で言った。「お前...