私は風雪に乗る

102話

裴長淮は微笑んで、片手で趙昀の顔を包み込むように触れ、彼の唇に軽く口づけした。その口づけには言葉にできないほどの愛おしさが込められていた。

彼は優しく言った。「わかった」

裴長淮は手早く長い髪を束ね、立ち上がって出て行った。趙昀だけが残された。

趙昀は我を忘れたように、湿り気の残る唇に触れ、思わず口元を引き締めて微笑んだ。

火頭営の炊事係が手伝ってくれたおかげで、裴長淮はすぐに小さな餛飩を一杯作り上げた。出来上がりそうになったとき、万泰が突然火頭営を訪ねてきた。

彼はまず恭しく裴長淮に礼をし、裴長淮の指に小麦粉が付いているのを見て、思わず感心した。「まさか小侯爷がこんな腕前をお持ちだとは」

裴...