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56話

鐘毓琰は既に泥酔して意識を失っている曹修之を見つめながら、手の中の酒杯を軽く揺らした。

立ち去ろうとした瞬間、曹修之に腕を掴まれた。「まだ……続けよう……飲もう!」

鐘毓琰は目を伏せ、既に朦朧とした意識の曹修之を見下ろすと、非情なほど冷たく彼の手を振り払い、最も目立たない隅で一人酒を飲んでいる江玄の元へ歩み寄った。「曹修之が酔いつぶれた。彼を部屋まで運ぶのを頼めるか」

「では将軍はどちらへ?」

鐘毓琰は自分のテントの方を見やりながら答えた。「安楠の様子を見てくる」

江玄は頷き、曹修之のことは任せろと身振りで示した。

鐘毓琰はいくつか点心を手に取り...