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16話

二人が膠着状態にある中、呉叔が安楠を連れて前庭に現れた。

「将軍、李公公、安先生がお見えになりました」

南蘭は二人に向かって一礼した。「将軍、李公公」

鐘毓琰は頷いて応えた。

李公公はすぐに顎を上げた。鐘毓琰には敵わないかもしれないが、小さな祭酒ごときに怖じ気づくことはない。彼は一度咳払いをし、声を整えてから安楠に言った。「安軍師、今日は陛下の特別なご命令で、わしが先生を新しいお屋敷へ案内するようにとのこと。身支度をして、わしと一緒に行くとしよう」

新しい屋敷?南蘭は一瞬戸惑ったが、昨日沈雲謙が自分に一軒の屋敷を与えたことを急に思い出した。昨夜は嬉しさのあまり冷静さを失っていたが、今...