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76話

直感に従って、それが石像だと感じ取った私は、足早に駆け寄った。しかし、石像から霊気が漂う場所に着くと、眉間にはしわが深く刻まれた。

ここの状況は異様なほど奇妙で、言葉では表現しがたいものだった。

目の前にあるのは、長い間廃墟となっていた大きな建物だ。その建物に近づくと、明らかに陰気が顔に向かって押し寄せてくるのを感じた。そして問題の石像は、建物の前に置かれていた。ゾッとするのは、この石像が建物の方を向いているという事実だった。

通常、石像は外向きに設置されるもので、そうすることで外からの邪気を避ける——つまり外側から何かが屋内に入るのを防ぐためだ。しかし石像が屋内に向いているとなると、こ...