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432話

鐘の音が、まるで遠くから響いてくるかのようだった。しかし実際は、その音は猿の石像から発せられていた。猿石像には大鐘を修復する能力があり、前回大鐘を猿石像に渡してからずっと、その身に掛けられていたのだ。

ちょうど今、大鐘が鳴った。突如響き渡る鐘の音は、まるで弔いの鐘のように人の魂を震わせた。

そして、饕餮石像に斬りかかろうとしていた奴は、無防備なまま一瞬で茫然自失の状態に陥った。その隙に、私は手にした紫霄剣を振り上げ、一閃、相手の首筋へと斬りつけた。

だが「ドン」という音と共に、紫霄剣は彼の首に届かず、護身の結界に阻まれてしまった。それでもこの一撃は、彼を十数メートルも吹き飛ばすほどの威力...