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293話

二人の戦いはますます緊迫した状態に入り、互角の戦いで決着がつかない様子に、皆の心は喉元まで上がってきていた。

私が不思議に思ったのは、周囲の見物人たちの態度だった。ここは蠱王の墓であり、公然と二人が戦いを繰り広げれば、当然誰かが止めに入るはずだが、彼らは一切動じる様子がない。

私はますます不審に思い、顔を曇らせていた時、ついに二人の勝負がついた。招魂幡を持った男が一枚上手で、最終的に勝利を収めたのだ。

しかし、さらに奇妙だったのは、彼が瓶を持った相手に止めを刺さなかったことだ。相手を打ち負かした後、手を引いて立ち去ってしまった。

我々三人の顔色は暗くなり、理解できない状況に困惑していた...