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204話

やはり心の中で後ろめたさを感じていたので、彼らの願いを受け入れて、一緒に食事をして少し遊んでから出発することにした。食事の後、少女は買ったばかりの車椅子で母親を押して、街へ出かけ、ぶらぶら歩き始めた。歩いているうちに、前方で何やら騒がしい様子が見えてきた。大勢の人が集まっていたのだ。

少女は賑やかな場所をあまり好まないようだったが、私のことを気遣ってか、母親の車椅子を押しながら「見に行きましょうか」と言った。

私たちがそこへ近づいてみると、大勢の人垣の中心では二人の男が刃物を持って対峙していた。この光景に、私はすぐに眉をひそめた。

少女は明らかにこういう場面を見るのが苦手で、二人の男が凶...