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137話

「少し残念なのは、今の私、黄魄の修為では、睚眦の石像は実体化できるものの、範囲に制限があることだ。私の霊覚の及ぶ範囲内なら、いつでもどこでも召喚できる。少し範囲を超えても可能だが、距離が遠すぎると無理になる」

「だから今は喜びと悲しみが入り混じっている。もし睚眦の石像をいつも傍に置けるなら、どんな事態にも二度とこんなに受け身になることはないだろうに」

翌日、張小山が早朝に電話をかけてきた。一晩中、玄門の者は現れなかったらしい。どうやら私たち二人だけで雲渓村に向かうしかないようだ。そこで私は仕方なく張小山を訪ね、二人で表情を曇らせながら雲渓村へと急いだ。

道中、張小山は非常に焦っている様子...