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12話

目を開けた瞬間、まず目に入ったのは一枚の扉だった。

我が家の石彫工房は決して広くないが、中は別世界のようになっていた。工房全体は二つの部屋に区切られていて、一方の部屋はやや広く、この石彫工房の九割以上の石彫が保管されていた。もう一方の部屋は比較的小さく、ごく一部の石彫しか置かれていなかった。

しかし、この小さな部屋に保管されている石彫こそが、工房全体の真髄とも言えるものだった。誇張でもなんでもなく、この小部屋に置かれている石彫は、どれを一つ取り出しても、大きな部屋にある全ての石彫の価値を合わせたものを超えるほどだった。

そして先ほど私が感じたあの比較的はっきりとした感覚は、まさにこの小部...