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109話

とはいえ、どんなに苦労したとしても、魔門の残党を制圧できたことで、あの村に対する責任も果たせた。胸のつかえが一気に取れた気分だ。

鶴老は執法会の人間だけあって、ただの善人ではないらしい。魔門の残党が捕らえられるや否や、すぐさま術を使ってこいつを殺そうとした。

だがその時、魔門の残党が奇妙な叫び声を上げた。「私を殺すわけにはいかない。秘密を教えてやれるんだ。殺せば何も分からなくなるぞ」

その言葉を聞いて、鶴老の手が止まった。我々は鶴老の方を見て、皆一様に心配そうな顔をした。「鶴老、奴の戯言に耳を貸さないでください。何か罠を仕掛けているに違いありません」

鶴老は顔を曇らせたまま、再び術を発...