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758話

唐龙は振り返って老人をじっくり観察した。修行者ではない。もし何か異変があっても、自分はすぐにでも彼を殺せるだろう。

「ええ、確かに私は島の人間ではありません、お爺さん」

老人は続けた。「町の入口の見張りを見ただろう?お前が尋問されたら、すぐにバレてしまうぞ」

唐龙は町の方を見ると、本当に老人の言った通り、二人の見張りがいた。彼らが何かを調べて尋問しているのか。尋問されなければ問題ないが、自分のことを聞かれたら正体がバレてしまう。もう一度老人を見て、なぜこんなことを自分に教えてくれるのだろうかと思った。

「お爺さん、私を呼び止めたのはそれだけが目的じゃないでしょう?」

老人は笑いながら言...