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705話

異世界に行く前、唐龍はこの目の前で起きていることを信じられなかっただろう。だが今は、すべてを信じている。

もはや躊躇う余地はない。この謎の生命体が最も弱っている時だ。一分でも遅れれば、それだけ強くなってしまう。

破空拳第二重!

風火拳第二重!

空中に轟音が響き渡り、周囲の森が強大な圧力に耐えられず、次々と外側へと倒れていく。突然、すべての気流が内側へと収縮し、大河のような一つの流れとなって黒衣の男へと襲いかかった。

「ドン」という音とともに、巨大な力が黒衣の男を吹き飛ばした。様々な力が絡み合い、まるでその肉体を引き裂こうとするかのようだ。

衣服は寸断され、皮膚には無数の裂け目が生じ、一部では白...