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654話

唐龙は自分が怪我をしてはならないことを知っていた。陰陽面は彼の神識によって操られているが、神識の強さは本体の状態と密接に関わっている。例えば、体の弱い人が日々病に苦しめられると、神識も絶えず削られていく。そのため、このような人が最も幽霊に憑依されやすいのだ。

同様に、唐龙の本体が大きな傷を負えば、神識も弱まり、陰陽面が彼の制御から外れる可能性がある。

そんな事態は避けなければならない。だからこそ、唐龙は諦めることを選んだのだ。

巨熊怪はその分厚い熊の掌を自らの胸に激しく叩きつけた。その一撃が丁度血の開いた穴に命中し、巨大な力が穴から流れ込み、肉体の中でか弱い心臓を荒々しく蹂躙した。

巨...