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651話

空を飛ぶ鷹鵬は、翼を広げて一飛びするだけで数十メートルも進んでいた。唐龍たち三人は地上の森の中を全力で追いかけ、ほぼ最大限に力を引き上げていたが、それでも距離を開けられてしまっていた。

幸い空には障害物がなく、遠くへ飛んでいっても見失うことはなかった。しばらくは追跡を続けられそうだった。

突然、空中の鷹鵬が両翼をすぼめ、地上へ急降下してきた。唐龍は胸がどきりとし、急いで太い木の枝の陰に身を隠した。

彼はかつてこの鷹鵬と戦ったことがある。両者の間には確執があり、もしあの恨みを持つ二羽の鷹鵬だったら、任務を始めたばかりで命を落とすことになりかねない。

唐龍はあの大きな鷹鵬の恐ろしさを鮮明に...