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622話

約一刻時間休んだ後、唐龍はまた逃走を始めた。この地域から遠ざかりながら、同時に龔老漢たちを見つけなければならない。脱出方法はすでに考えついており、次の一手を待つばかりだった。

唐龍の心中は不思議でならなかった。ここは明らかに生きた世界なのに、幻境の陣法のように出られないのはなぜなのか。一体どこが間違っているのだろう?

幻境の中にも強大な生物がいて、それらも血肉を持つ。しかし唐龍がここまで見てきた鳥や獣は千種類を下らない。これらすべてが幻であるとは、唐龍は死んでも信じられなかった。

だが現実世界に、あんな巨大な龍形の怪物がいるだろうか。翼を広げると四十メートルを超える鷹がいるだろうか。これ...