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618話

人は高きに登り、水は低きに流る。これは最も基本的な常識であり、山間の渓流もこの原則に従い、高きから低きへ、時に激しく時に緩やかに、常により低い場所へと流れていく。

唐龍は時間を概算してみた。彼らは少なくとも四時間下り続けてきた。一時間に百キロの速度で計算すると、今や四百キロも進んだことになる……

四百キロ。それは決して小さな数字ではない。世界最高峰の山麓から山頂までの距離でさえ、これほど長くはない。にもかかわらず、彼らはまだ山麓にたどり着いていない。これは百思しても解せぬことだった。

唐龍は皆に渓流のほとりで一時休息するよう告げ、自分は小哥と高台へ上り、下方を見渡した。だが、目に映るのは...