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614話

小哥が唐龍の前に歩み寄り、一方の手を差し出して、実に率直に言った。「唐兄弟、今日が初対面だな。これからは友達だ。何かあったら、どうぞよろしく頼むよ」

その差し出された手に、唐龍は一瞬躊躇したものの、結局手を伸ばした。小哥の素性は極めて怪しいが、この場では相手も無茶はできまいと判断したのだ。

二人の手が軽く握り合い、唐龍が手を引こうとした瞬間、突然小哥の手が魚のように滑り上がり、彼の手首をつかむと同時に一撃を加えてきた。

唐龍は大いに驚き、素早く手を沈め、手首を鉄のように硬くし、腕全体が鋼鉄のごとく、小哥に掴まれたままだった。もう片方の手で素早く符陣を描き、小哥に向かって被せるように放った...