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611話

唐竜は地面から浮き上がるほど衝撃を受け、一方の猿王は歯を剥き出しにし、胸元は真っ黒に焦げ、かなり惨めな姿だった。だがこいつは本当に強靭で、落下する際に胸から地面に着地し、胸の火を無理やり消し去ったのだ。

しかし、あれほどの高さから落下し、しかも胸から地面に叩きつけられては、鋼の肉体を持っていても堪えるだろう。こいつは地面に伏せたまま、荒い息を吐き、口の端から溢れた血が息に吹かれて血の泡となり、まるで子供がガムで風船を膨らませるようだった。

唐竜はこの機会に逃げ出すこともできたはずだが、そうはせず、驚くべき速さで再び風火拳を繰り出した。

猿王は胸を地面につけていたため、この一撃はちょうどそ...