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608話

前方から一匹の鬼面猿が突然飛び上がり、痩せた小さな体が空中で一瞬光ったかと思うと、猛烈な速さで唐龙に向かって突進してきた。

唐龙は冷たく一声鼻を鳴らした。「死にたいのか!」

金色の光が閃き、唐龙の前に突如一条の黄龍が現れ、大きく口を開けると、鬼面猿に向かって黄色い炎を吐き出した。

世の中の火は七種に分かれ、黄色は第五位に位置する。その火力は猛烈で、家庭で薪を燃やして料理をする火などとは比べものにならない。

鬼面猿は非常に機敏で、黄色い炎を見るや否や、大声で叫びながら横に跳びのいた。その動きは脱兎のごとく素早く、あやうく避けきるところだった。

しかし、その黄色い炎は尋常ではない。目には...