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582話

霊宝門が失くしたものそのものには大した価値はなく、ただの鈴に過ぎないのだが、この鈴は霊宝山の守護神獣の愛用品であり、三代目の掌門が神獣を従えた後、特別にそれとの意思疎通のために作られた法宝だった。

鈴が失くなってから、霊宝山は守護神獣と連絡が取れなくなった。万が一何か大事が起これば、霊宝山は危機に陥ることになる。

この件は大したことではないと言えば大したことではない。今は情勢が安定しており、門派の滅亡などという大事は起こりそうにない。しかし小さなことでもないとも言える。鈴を失くしたことで守護神獣と連絡が取れなくなり、緊急事態が起きた時、霊宝山の最後の砦はどこにあるというのだろうか?

鐘掌...