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557話

白い和中林が唐龙の前に現れると、巨大な波はまるで天敵に出会ったかのように、自ら分かれて道を作った。

唐龙は白い和中林の後ろに立ち、無事な姿で微かに微笑んで言った。「ありがとう」

「いいえ、こちらこそ感謝します」

「じゃあ、お互い感謝はもういいでしょう。一緒にもう一人の君を抑えましょう」

黒と白の和中林は元々一つの存在だったが、善と悪をそれぞれ司り、二つに分かれていた。この数年間、和中林は悪事を重ね、数々の罪を犯してきた。識海の中では黒い和中林が主導権を握り、白い和中林を海底に追いやり、眠らせていたのだ。

だが思いがけないことに、唐龙が先ほど一礼したことで、彼を目覚めさせたのだった。

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