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556話

唐龙は和中林の識海の中、つまり他人の支配する世界の中にいたが、彼は恐れてはいなかった。自分の符陣が効くことを知っていたからだ。万が一勝てなくなっても、符陣の中に隠れれば和中林も手出しできないだろう。

海水が山のように荒れ狂い、まるで太古の怪物が唐龙に襲いかかってくるようだった。その比類なき力は、遠くからでも唐龙を息苦しくさせるほどだった。

「唐龙、去らないというなら、永遠にここに留まるがいい!」識海の中の和中林は非常に傲慢で、外界の彼とはかなり違っていた。おそらくこれこそが彼の本性なのだろう。

唐龙はその迫り来る波濤を目の前にしても微動だにせず、両手を上げて穹窿の形を作り、円弧を描くこと...