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530話

唐龍が譚維の怒りを見て、すぐに前に進み出た。「俺の言ってることは全部本当だよ。あの山の中に一つの峰があって、頂上に光の門があるんだ。その門を通ると、一面真っ赤な砂漠が広がっていて、その熱さときたら、人間を丸焼きにできるほどなんだぞ」

「丸焼きになるほどなら、なんでお前は無事なんだ?」

「俺は、俺は…お前、小賊みたいな言い方やめてくれよ。早く抱きしめさせてくれよ」

唐龍が手を伸ばして抱きしめようとしたが、譚維の姿がふわりと揺れ、彼は空を抱いただけだった。そして譚維が別の場所に現れるのが見えた。

「維維、どうしたんだよ?」唐龍は焦って叫びながら、譚維に向かって走り出したが、どうしても追いつ...