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521話

たった今消えたと思ったら、すぐにまた何匹もの鼠が体に這い上がってきた。唐龍はすぐさま十二分の力を振り絞り、両手を飛ぶように動かして全身を叩き、何とか鼠を払い落とした。だが、体が湿っぽく感じ、何か柔らかいものが肌に張り付いている感覚が残った。

吐き気を催しながら、唐龍は足早に前進し、時折木の枝に飛び移りながら先へと疾走した。

「敵を捕らえるなら首領から!」

特殊部隊出身の唐龍の頭に浮かんだこの考えは、すぐさま行動に移された。走りながら森の中を探索していく。あの鼠の王を倒せば、この鼠の群れも統率を失うだろう。

実際、唐龍のこの考えは間違っていなかった。鼠の大群が彼らを追い詰めているのは、ま...