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506話

小胖と黒服の男は霊石が粉々になるのを見て、呆然としていた。

命を懸けて手に入れたものが、目の前で無くなってしまう——この感情は当事者にしか分からないだろう。どんなに言葉を尽くしても、その千分の一も表現できないものだ。

老皮と小高ももちろん例外ではなかった。修行者にとって大きな滋養となるものが、目の前で消えていくのを見るのは、本当に胸が痛んだ。

唐龍は当事者でありながら、状況に気づくのが遅かった。外界から全身の毛穴を通して霊気が体内に流れ込むのを感じた時、ようやく異変に気づいたのだ。だがこれは自分の意志ではなく、止めることもできず、ただ成り行きに任せるしかなかった。

粉々になった霊石の中に...