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500話

伍が住んでいる九号棟のエントランスの電子ドアは一般的なものとは違っていた。他の電子ドアは鍵がなければ開かないが、九号棟の電子ドアは、もし住人でない者がドアロックに触れようものなら、即座に仕掛けが作動し、人を気絶させる電流が走り、上から大きな網が降りてきて人を包み込む。そして瞬く間にその人は跡形もなく消えてしまうという——まるでその人がそこに存在していなかったかのように。

もちろん、これはすべて噂に過ぎない。伍自身が林海市ではひとつの伝説だったからだ。

方仲海はこの噂を知るはずもなく、老于に一瞥をくれた。老于はすぐに前に出てインターホンを押した。

ドアが開いた。電流が走ることも、鉄の網が降...