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484話

山の中を少し歩いていると、先ほど携帯をズボンの裾に隠していた面長の男が唐龍に近づいてきて、小声で話しかけた。「兄弟、お名前は?」

「唐だが、君は?」

「俺は狄勇だ。君の訛りを聞くと、江淮あたりの出身かな?よくもまあ、こんな遠くまで来たもんだな」

「へへ、君の訛りも川渝あたりのようだが、同じく遠くまで来てるじゃないか」

「はは、兄弟は耳がいいな。一発で分かるとは、さすが古株だ」

「古株なんてとんでもない。これからの道中、狄兄にはぜひ面倒を見てもらいたいものだ」

この狄勇は先ほど携帯を隠していた。それは彼がすでに警戒心を持っている証拠だ。だから唐龍は彼が賢い人間だと判断した。危険に満ち...