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479話

甘九のこれまでの狼狽ぶりは、唐龍を油断させるための芝居に過ぎなかった。そして今こそ必殺の一撃を放つ時だ!

甘九の体が突然内側に縮こまった。もともと大柄ではない体格がさらに小さく見えたが、その瞬間、彼の全身から放たれる力線が急に太くなり、そして高速で回転し始めた。

甘九は非常に奇妙な手の動きをした。まるで目の前の何かを掴み取るような動作だったが、これこそが彼の得意技——空気砲だった。

空気砲は、極限まで圧縮された空気が突然解放される時に生じる強大な膨張力を利用したものだ。銃弾や砲弾の爆発原理とは全く逆だが、威力はむしろ上回る。

唐龍は横目で二人の女性が無事であることを確認し、胸をなでおろ...