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448話

全員がカメラを取り出し、真剣に闘技台に向けていたその時、突然地面が揺れ動いた。皆が立っていられなくなり、あちこちによろめく中、闘技台から一筋の黒い影が天へ向かって飛び上がるのが見えた。一瞬にして数十メートルの高さまで跳躍したのだ。

幸いにもここは修行者専用のトレーニング施設で、建物の高さは百メートルもあった。そうでなければ、この一撃だけで天井を突き破っていただろう。

唐龍はまだ原地に安定して立っていた。となれば、空へ飛び上がったのは間違いなく狂牛だ。

半空に跳び上がった狂牛は、完全に狂化状態に入っていた。両目は真っ赤に染まり、額には二つの突起が現れ、まるで小さな牛の角のようだった。

空...