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436話

胖子の方は少し厄介だった。朱兄の修為は胖子より上だし、二人とも銃を持っていたので、胖子が勝つのは難しかった。しかし朱兄も胖子を振り切って小虫を救出するのは不可能だった。

今夜、唐龍はずっと憤懣を抱え、心中極めて鬱屈していたが、ようやく反撃のチャンスが訪れ、思わず気分が高揚した。空に向かって長く咆哮すると、まるで幽鬼の影のように朱兄に襲いかかった。

朱兄は形勢不利と見るや、正面から戦うつもりはなく、すぐに踵を返して逃げ出した。

唐龍がそう簡単に逃がすはずもなく、冷ややかに鼻を鳴らすと追いかけ、胖子もその後を追った。

「師兄、大丈夫か?」

「あと一分遅かったら、俺の遺体を回収する羽目にな...