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435話

「生の巻一」が施されると、唐龙は感じ取ることができた。傷口に清涼感が広がり、元の痛みが随分と和らいだ。引っ張られていた筋肉もゆるんでいく……

その時、空気に波動が走り、一つの黒い影が空中から突然飛びかかってきた。続いて大きな笑い声が響いた。「このバカ野郎、ここに隠れていたのか!」

すべては瞬く間に起こった。唐龙が反応する間もなく、朱兄の手の銃が火を噴いた。

唐龙はこれまで死神との距離がこんなにも長く感じるとは思ったことがなかった。灼熱の弾頭が、強大な空気圧の下、真っ直ぐな弾道を描いて彼に向かって飛んできた。距離は近く、避ける時間などほとんどなかった。

生死の境目で、唐龙の体内に潜む力が...