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426話

田医師の話を聞いて、唐龍はようやく理解した。今回は遠回りをしてしまったのだ。最初から院長に直接当たるべきだったと気づいた。

「分かりました。ありがとうございます、田医師。では今から院長を訪ねます」

「ええ、当院をご利用いただきありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」

この馴染みのフレーズを聞いて、唐龍は少し寒気を感じた。病院が完全に商業化されると、必ずしも人々の期待に応えられなくなるものだな。

内科を出た唐龍は、病院内をぐるりと一周した。ここは料金が高いせいか、患者はそれほど多くなく、廊下で患者を見かけることはほとんどなかった。その代わり、看護師たちが行き来していて、ど...