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396話

森の中は静まり返り、一切の反響も聞こえなかったが、唐龍はその行動を止めなかった。一瞬で身を翻し、森の中へと入ると、手早く木の枝を折り取った。内気を巡らせると、その枝は数段に折れ、瞬く間に四方へと飛んでいった。

左側から悲鳴が一つ上がり、森の中は急に賑やかになった。覆面をした一団が唐龍の前に現れた。

唐龍は大きな木の下に立ち、巧みに自分の体の大部分を木の陰に隠しながら、冷たい声で問いただした。

「何者だ?」

「唐さん、我々は敵じゃない、誤解しないでくれ」

「ふん、敵でないなら、なぜこそこそと隠れている?何の魂胆だ?」

「それは説明する必要もない。お前は行け」

唐龍は少し黙ってから、立...