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395話

小賊は林海に行けると聞いて、興奮のあまり飛び上がり、唐龍の首に抱きついて甘えるように叫んだ。「お兄ちゃん、大好き!」

唐龍は慌てて彼女を押しのけ、顔を引き締めて言った。「ふざけるな、何てみっともない格好だ。さっさと帰れ」

譚維は普段、唐龍が他の女性と接触することを嫌うのだが、小明だけは例外だった。彼女は傍らに立ち、満面の笑みを浮かべ、少しも怒る様子はなかった。おそらく彼女の心の中では、小明はまだ大人になりきれていない少女でしかないのだろう。

二人の女性が車で去っていくのを見て、唐龍は胸をなでおろしたが、それでも胖子に電話をかけ、ホテルで二人を待つよう頼んだ。

「昆麻子、行くぞ」唐龍は冷...