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362話

唐龙は花瓶の後ろに隠れている譚維を見て、心の中で驚き、そして密かに恨みを抱いた。「くそっ、このガキめ!」

花瓶の後ろに隠れるなんてこんな遊びは譚維の性格ではない。きっとあのガキの考えだ。唐龙は歯がみがみするほど腹が立ったが、譚維がここにいる以上、何もできなかった。

「へへ、維維、俺はただ小明とちょっとふざけてただけだよ。まさか本気にするとは思わなかったよ」

「そう、ふざけてただけなの」譚維は冷ややかに笑いながら前に歩み寄った。

「そうさ、ただのジョークだよ。信じないなら小明に聞いてみなよ」

ガキが前に出てきて、にこにこしながら言った。「姉さん、兄貴はただふざけてただけだよ。気にしない...