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358話

「唐兄さん、待って!」阮香玉は少し追いかけた後、ようやく唐龍たちの姿を見つけ、大声で呼びかけた。

唐龍は一瞬立ち止まったが、足を止めることなく、そのまま前へ歩き続けた。

「あなた、モテるのね。わざわざ追いかけてきてるじゃない。聞こえなかったの?」譚維は不機嫌そうに言った。

「へへ、維維、それは誤解だよ。さっきも見ただろ、彼女とは何も話すことないし、無視しておけばいいさ」

阮香玉はハイヒールを履いていたが、足取りが早く、あっという間に追いついて、息を切らしながら言った。「唐兄さん、どうして待ってくれないの?」

目の前まで来られては無視するわけにもいかず、唐龍は冷たく言った。「何か用?」...