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353話

「裂の巻」が展開され、唐龙はもはや五彩の世界を見ることができなくなった。今、彼の目の前には点と線と面からなる四次元の世界が広がり、すべての物体がこの立体的な世界で独自の位置を持っていた。

その時、彼はそれまで見えなかったものを目にした。一人の人間が空中を素早く前へと飛んでいた。

唐龙は冷ややかに鼻を鳴らすと、大きく一歩踏み出した。地面が震え、そして彼の体が宙に浮かび上がり、空中のある一点に向かって一撃を繰り出した。

「ドン」という音とともに、雲霧が奔流し、一つの人影がみすぼらしい姿で現れた。それは狂だった。

狂の脇に抱えられた丙忠国はすでに意識を失い気絶していた。その様子を見た丙老人は...