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340話

唐龙の一撃は見事なまでに鮮やかで、常識のある者なら誰でも彼が絶技を持っていることが分かるだろう。この状況では、実の母に言われても二度と挑もうとは思わないはずだ。

しかし酔っ払いというのは、異常に勇気があるというか、むしろ感覚が麻痺しているのか、唐龙が何をしたのか全く理解していなかった。

怪我をしていないほうの酔っ払いは、仲間が悲鳴を上げて手を押さえながら屈み込むのを見ると、怒りの咆哮を上げ、拳を振りかぶって殴りかかってきた。

唐龙は冷ややかに笑うと、指先でピーナッツを一粒つまみ上げ、男の口めがけて弾いた。

男がちょうど大口を開けて叫んでいる時、突然飛んできたピーナッツが前歯に命中した。...