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302話

振り返ったその瞬間、唐龍の目には驚きが浮かんでいた。

その人物は他でもない、江淮での別れ以来再会することのなかった白氷だった。

白氷は手に銀色の長刀を握り、刀身を傾けると窓外の月光を反射させ、眩しい光を放ちながら、一瞬で唐龍の腰に向かって突き刺してきた。

この一撃は、一見単純だが、実に鋭い切れ味を持っていた。

かつてない危機感が唐龍の脳裏に瞬時に走り、考える間もなく、唐龍は素早く身を低くしてこの一撃をかわそうとした。

だがこの刀は骨に食い込む病のように、まるで感応するかのように、唐龍の動きに合わせて下方へと斬りかかってきた。

「くそっ、この女、どうしてこんなに強くなってやがる!」

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