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299話

唐龙がまさか予想だにしなかったことがある。バルトがこれほど深く己の実力を隠していたということだ。

Cランク戦力を持ちながら、罪域の外縁をさまよっていたとは。一体何を待っていたのだろうか?

突然の逆転に、唐龙の心にようやく波紋が生じた。

Cランク戦力と二級戦力の差は、少しや半端なものではない。それは質的な飛躍なのだ!

「死ね、唐龙!」

バルトは古代のタイタンのごとく、全身から野蛮な気迫を放っていた。特にその両拳は、腕ほどの太さの棍棒のようで、これに一撃でも喰らえば、死なずとも不具となるだろう。

だが、唐龙も手をこまねいてはいない。バルトが自分に向かって突進してきた時、唐龙も対応策を講...