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297話

「バルトは本当にすごいやつだな!」

唐龙も認めざるを得なかった。自分が二級中期の頃でも、極限の力はバルトの半分にも及ばなかったのだ。

しかし、ただ強いだけではない。この身長二メートルのモンゴル人はとても賢かった!

強さと賢さが結びつくと、それは恐ろしいものになる。

先ほどの唐龙の必殺の一撃を、バルトは瞬時に避け、さらにその隙に手の電子ロックを解除してしまった。

今のバルトは檻から解き放たれた野獣のようだった。顔を歪め、腕を軽く動かしてから、まるで小さな山のように唐龙の前に立ちはだかった。

唐龙は不味いと思った。まさかこの男の体内に本当に身体能力を刺激する薬物があるとは。今のバルトは...