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252話

二日目の朝、夜明けがそっと闇を追い払い、空は純白のベールを纏った。

陽光は燦々と降り注ぎ、すべてが美しく輝いていた。唐龍は譚維を乗せて山を下った。

彩南の小さな町の人々もまだ朦朧とした目覚めの中にいた。眠そうな女性たちが乱れた髪を手で押さえながら水を撒いて掃除をし、男たちは石段に立って世間話に興じていた。新鮮な野菜を売る行商人が通り過ぎ、騒がしい子供たちが遠くへ駆けていく……

「ここは本当に静かですね」譚維は再び感嘆の声を上げた。

唐龍は彼女の感想に応えることなく、そのまま彩南の町を出て、高速道路へと向かった。結局、譚維と唐龍はこの地に三日間も滞在し、道...