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215話

「危ないところだった!」唐龍は思わず後ずさりして言った。

十二雲豹での任務で様々な危険を経験してきたが、先ほどのようなハリウッド映画さながらのスリルは、唐龍にとって初めての経験だった。

もし先ほど車と一緒に崖下に落ちていたら、今頃は閻魔様のところに報告に行っていたかもしれない。

唐龍は崖の上に立ち、山風を浴びながら、自分を落ち着かせようと努めた。

罪域は今回の作戦に失敗したが、決して諦めないだろう。さらに危険な襲撃がこれから待ち受けているに違いない。

今すぐ水韻山荘に戻らなければならない。これほど大きな結婚式だ、罪域が一人だけ送り込むはずがない。きっと他にも罪域の者が潜んでいるだろう...